第十二回 品川駅(東京都港区)

なにげにすごい品川駅

品川駅は、ただ、ごみごみしているだけだと思っていたが、そうではなかった。
品川駅に失礼なことを思っていた。
実は、なにげに探求してみたら、すごい、駅周辺であった。何がすごいかというと、
紅茶の専門店や、アフタヌーンティルーム、キハチカフェ、つばめグリル、そして成城石井までがあったのである。
私にとって、素晴らしくそそられる店がこんなに集中しているとは、という感じなのである。
そんななごんでる場合じゃない人々が行き交うこの品川駅に、私にとってのなごみ的店があるなんて、驚きである。
人生もそんなものなのであろう。そうだと思い込んでいると、案外そうでなかったりするものだ。
品川駅で人生を考えてしまったが、そんな、何か底知れぬ深さがこの駅にはある。いわゆる貫禄というものなのか、
それとも、ただ単に、私が人生を考える年なのか、それはいいとして、
品川駅には外国人が多いのであろうか、それは有名ホテルがたくさんあるためであろうか、
素敵な外国人の家族が仲良くアイスクリームを食べていた。品川駅にはみえない光景であった。
というのは、品川駅に対して失礼だが、駅には駅の、それなりのイメージというものがあるものだ。



・羽田空港への新アクセス、京急!
この電車に乗り、福岡へ飛行機で行った。



・チケットぴあ
品川駅は構内にいろんな店があり、改札を出ないでも楽しめる。


構内にチケットぴあ発見。本屋の脇にあった。なんとも便利である。
品川駅のあなどれないところのひとつかもしれない。
本屋も充分に広くて、小さな本屋も顔負けなほどだ。
ついつい立ち読みしたくなる気持ちをおさえつつ、その辺りを一周したが、いろんな食べ物屋があった。
回転寿司屋(?)もあったし、ファーストフード店もあった。ここで、ぱぱっと夕食を食べて帰宅するサラリーマンや、
おやつを食べて帰る学生がいるのであろう。
学生時代は、家に帰る前に、必ず何か食べないと気がすまなかったような気がする。
もしかしたら、今もそれは変わってないかもしれないのだが。
品川が帰宅途中なら、品川駅にちょっと寄って本屋で立ち読み、そして、ファーストフードでソフトクリームかなんか食べて、
電車に乗り込む、ということができるのである。それも改札を出ずに、である。



・中央改札口
やっと改札を出た


広い改札なのである。さすが品川、天井が高い。何故さすがかはわからないが、
さすが、という言葉がピッタリな感じの、少し自慢げな改札なのである。
最近、よくある改札近くのコンビ二もあるが、あまり存在感はない。
そのかわり、この改札から外へ出ると、品川駅の本領発揮なのである。
この日は、京急デパート(?)のあるほうへ出た。
タクシーが並び、京急乗り場もあり、人がエスカレーターにあふれ、品川駅のごみごみさ加減本領発揮と思いきや、
外に出ると、広々とした光景と巨大なホテルが目の前に広がる。



・最近よくみられる駅前のコーヒーショップ
この手の店にまだ一度も入ったことがないのだが、美味しいのだろうか?きっと美味しいのだろう。


小さな店だが、存在感はかなりある。スターバックスコーヒーがはやっている今日、いろんなコーヒーショップが
競争心を出しているようである。日本人とこういう店は、元来あまり似合わないのでないかと、ふと疑問に思う。
しかし、駅自体の形体が変わってきている今、こういうコーヒーショップが存在する価値があるのであろう。
私には、アイスクリームやケーキの食べられるちょっとした店を作ってほしいのだが。
駅というものは、そういうところではないはずである。駅弁というのも、こういう駅にも売っていてもいいような気がする。
JR駅弁シリーズとかいうお弁当をぜひ作っていただきたいものだ。



・成城石井
奥様だけではなく、ひとりものにも強い見方、成城石井。


東京駅や恵比寿、今や渋谷にもできた成城石井。私のなかで、成城石井はかなりすぐれたスーパーである。
最近は、ご存知の方なら、その優れた点がわかっていただけると思う。
そんじょそこらのスーパーとは違うが、そんなに肩意地張らずに買い物が楽しめるのである。
プチ高級という具合なのである。
この日は、ここの成城石井には入らなかったが、今度ぜひここで買い物を楽しみたいものだ。
スーパーが大好きな私は、1時間ぐらいは余裕でいられる。お菓子売り場で30分はいられる自信がある。
そんな自信はいらないような気もするが、それほどにスーパーは楽しめる場所なのだ。子供の頃、
おもちゃ付きのお菓子を探していたものだ。今も時々探してみるが、昔の、パピーちゃん人形付きお菓子にまさるものはない。
パピーちゃん人形、とっておくべきだった。
今、懐かしくてたまらない。もし、今も売っていたら、きっと買うだろう。



・けいきゅう
外観はかなり昔入ってるが、中に入ると違う。


タクシー乗り場のロータリーの近く、大きな荷物を置いた待ち合わせの人々や、ジャージ姿の学生達、
おばあちゃんや、子供連れのお母さん達、そんな人々でひしめき合う中、けいきゅうは存在する。
しかし、その外観と違って、入り口付近には、キハチのカフェが存在し、美味しそうなマフィンが並べられている。
その奥にはアフタヌーンティルームがあり、雑貨も売っている。
私は、福岡に行く途中に、ここのアフタヌーンティルームで、タオルと小さいクマを買った。
品川駅にアフタヌーンティがあるだけで、品川駅のイメージアップなのである。
この日、アフタヌーンティルームに入ることを楽しみに来たのだが、少し混んでいて、よさそうな席が空いてなかったので、
もう少しあとにまた来てみようと思って、店をあとにしたのだが、結局この日は寄らずに帰ってしまった。
アフタヌーンティルーム好きの私としては、全国のATルームを制覇したいものだ。
メニューが場所によって違うのだ。私が今ATルームではまっているのが、「アイス抹茶ミルク」なる飲み物だ。
器が気持ちいいほどすずしげで、夏になると登場するメニューなのである。今年も、アイス抹茶ミルクを堪能できて嬉しいのである。
キハチのマフィンは、甘さひかえめでなかなか美味しい。クッキーなども抜群に美味しくて、ご進物に最適である。
女性ばかりでキハチは混みあっていた。品川駅京急デパート(?)のイメージは今や、キハチとアフタヌーンティなのである。
化粧品や雑貨の店もあり、こぎれいな花屋もあり、クリーニング屋もあり、なかなかのものだ。
昔から知られるこの場所は、今も健在なのである。



・キハチ
女性のコックさんみたいで素敵である。


最近幅をきかせているキハチ。喜八さんの店には、銀座のキハチチャイナが初めてであった。
以前から、神宮前のビクタースタジオの近くにあるキハチチャイナが気になってはいたのだが、そこには、
今だ入ったことがなく、ぜひ行ってみたいと思っている。
キハチは、チャイナのほか、イタリがあって、キハチフレンチはどうだったか、
あるような気もするが。
とにかく、ひじょうに女性の心を掴む、店の雰囲気と料理なのだ。
少し、高めのように思えるが、たまにはいいであろう的な要素が含まれた、心地良い場所である。
誰か食事に誘っていただけるなら、キハチで好きなだけ食べさせてあげるよと言われたら、心トキメク。
でも、
かに道楽で好きなだけ食べていいと言われたら、迷うかもしれないのである。



・タクシー乗り場のロータリー
駅というより、店、店、店という感じである。


このロータリーの脇を通り、信号を渡ると、更に店がたくさんあるビルがあり、
品川駅の底深さは、ここにあるという、ビルである。
しかし、改装セールと書いてあったのを見かけたので、今度来る時はまた違う顔になっていることであろう。
駅すぐのエスカレーターを降り、左にある成城石井の上に、どうやらカフェが存在するらしく、外から見える。
なにやら、黒板にメニューを書いてあるあたりが、頑張っていることを表している。
しかし、エレベーターを上った2階にあるというのが、
なかなか行きづらく思ってしまう。でも、いつか行ってみたい気がするが。
更に左に、時代錯誤な店の看板が見えたりしたが、信号を渡り、マクドナルドがあるビルに足を向けた。



・紅茶専門店
ちょっとぶれているのは、階段を上りながら撮ったためである。落ち着きのない私なのである。


優れていると思わせるのは、こういう紅茶の店があるというところだ。
ここには、品川駅とは違う時間が流れていた。このビル全体がそうであったが。
紅茶のいい香りがするようなしないような気分のなか、
このビルの白い壁が、心を落ち着かせるのである。このビルはたったの2階建てであるのに、店の充実度がかなり良い。それは、
京急デパート(?)にも言えるのだが、小さいながらも幅広いのである。このビルの1階のショップで、
欲しかったゴールドのブレスレットを購入した。ゴールドのブレスと言っても、お安い価格のものである。
代官山にありそうなショップが存在していたので、入ってみたら、みつけたのである。
こんなに楽しめる駅だったのかと、あらためて感動すらしたのであった。



・カラオケ山手線
ビルにつづいている道を歩いて迷い混んだ。
有名なホテルの本館入り口に、この看板は堂々とあった。


???謎である。ビルからこのホテルまでつづく道を歩いていたら、こんなに目につくものがあり、撮らずにはいられなかった。
この時、私は品川にいるのだと実感した。その他、恒例北海道フェアーもやっているらしく、
なかなかに、手強い品川プリンス。
この日、ソフトボールの大会の方達が大勢宿泊するらしく、いさましいソフトボール大会の女性の方達が、たくさんおられた。
赤や白のユニフォームを着たお母さんぐらいの女性たちが、ホテルに大勢いるという、めったに見られない風景であった。
私はそそくさと退散したのであった。



・おしゃれな眼鏡の専門店
このショップは池袋メトロポリタンプラザにもあり、一度でいいからここで眼鏡を購入したいと思っている。


紅茶の専門店のすぐ近くにあるこの眼鏡のショップは、おしゃれである。そして、お値段も高めでである。
そのかわり、数が豊富で、きっと自分の気に入ったおしゃれな眼鏡がみつかること間違いなしであろう。
見るだけの楽しみではかなしいので、この日は見なかったが。
眼鏡は、いくつあってもあきない。私は目はいいほうなのだが、眼鏡好きなので、かけたい願望がある。
コンタクトもしてみたい。色つきのコンタクトにも憧れる。
眼鏡も好きだが、最近、サングラスもいいのがあればと探している。昔は、サングラスというものに抵抗を感じていたが、
今は、日よけのためにもサングラス派なのである。日傘も、お気に入りのアナスイ傘を今年の夏は2度ほど持った。
しかし、日傘の場合、外に出ていない時には、邪魔なのが、めんどくさいので、
持って行くのを躊躇してしまうのだ。
折りたたみの日傘を買いたいとも思うのだが、ひとつ持っていれば十分なのものであるような気がして、
アナスイの傘売り場を見ては、通り過ぎているのである。
アナスイといえば、サングラスも売りはじめた。でもちょっと大きめのような感じで、
自分には合わないようで、残念である。サングラスは、自分に合うものをみつけるのが大変だ。
本当は、オーダーでもしてみたいものだが、自分に合うのを見つけるのも、また楽しいものだ。
買い物のだいごみは、そういうところにある気がする。しかしいつまでたっても
みつからなかったら意味がないが。



・レトロな建物
駅前の信号の向かいに、レトロきわまりない建物が。


この建物は、いい味出しているような気がする。品川駅の貫禄をつくりだしている代表かもしれない。
こういう建物があると、街が風味あるものに見えてくる。
風味ある人になりたいものである。そんなことを考えさせられるこの建物の先には、
「つばめグリル」とひときわ目立つ看板がこうこうと見られる。
ハンバーグで有名なつばめグリル。私は、この店のハンバーグのファンである。
アルミホイルで巻かれたハンバーグが、ビーフシチューのソースにつつまれて、出てくるのである。
ここのデザートも美味しい。そして、丸ごと出てくるトマトサラダが、また美味しい。
まだ、つばめグリルのハンバーグを食べたことのない方は、ぜひ、ご賞味あれ。
しかし、品川駅のつばめグリルの外観、貫禄なのである。



・アフタヌーンティルーム
もう一度寄ってみたが、まだ混んでいた。


さすがATルーム、混んでいる。ぶれているのは、またしても歩きながら撮ったからである。
入りたかったが、また今度、なのである。
雑貨もひととおり揃っているこのATルームは、品川駅のオアシス的場所だ。
サラリーマンの方々は、なくてもいいと思われるかもしれないが、
OLや、奥様にとっては、あるのとないのとでは、心の潤いが違うと、思うのである。
品川駅で、なごめる要素をみつけるなんて、思わなかったが、見つけられて良かったのである。
これから飛行機に乗ることがあれば、品川駅でなごんでから行くことができるからである。
私にとっては、かなりポイント高い駅になったのである。それに、福岡に一緒に行ったクマは、品川生まれなのだから。


(第12回 終わり)