第十七回 京都U (京都府京都市)




詩仙堂(しせんどう)

紅葉の時期が今年は遅いという。そして、紅葉の色も今年のは悪いと聞いたが、
そんな感じはひとつも感じないほど、紅葉に酔いしれてしまった。
京都は訪れるたびに好きにさせられる。魅力的な地だ。わたしもそんな魅力的な
女性になりたいものだ。
そんなことを思いつつ、事務所のN先生との快適なMKタクシーでの紅葉めぐりは、
2000年の年の思い出として深くわたしの心にめずらしく刻まれた。
桜の季節も素晴らしいが、紅葉もまたなかなかあなどれない感動がある。
わたしはもしかしたら、どっちかっていうと紅葉のほうが好きかもしれない。
とか言って春になって桜の満開の頃に京都に訪れたら、桜のほうが好きとか言ってそうだが。
わたしはそんなヤツである。何事も決めてかからないほうが楽しいものである。
ここの紅葉は格別に綺麗だった。人もたくさんいたが、途中雨が降ってきて、
タクシーの運転手さんが傘を持ってきてくれて外を散歩することができた。
しかし、散歩をする時に足元がサンダルというスタイルがどうも気になって仕方なかったが、
誰もそんなことを気にしてるふうではない。
そんなことよりも、圧巻の紅葉。ご年配の方々が熱心にカメラをむけていた。
わたしはというと、気が向いた時にごそごそとデジカメを取り出してぱちっと撮るぐらいなものだ。



蔓珠院(まんしゅいん)

ここでも紅葉狩りをしにさっそうと突き進むN先生を見送り、わたしはひとり茶店風の蕎麦やへ向かった。
月曜日だというのに紅葉の季節で混んでいるようだったが、
相当わたしがかわいそうだったとみえて店のおにいちゃんが聞いてきてくれて、戻ってきたら、
おばちゃんもきて「ひとり?」と聞くので、「あとでもうひとりきます」と言うと、「少し待っててもらえますか」
と言われ、勝利した。
そこの蕎麦はやはりうまかった。わたしはだいたい外観をみてこの店はうまいかどうかがわかるたちなのだが、
ここも、わたしの勘は当たり、とても美味しいお蕎麦が堪能できた。山椒をたっぷりとかけて食べたきのこ蕎麦はなかなかしぶい。
きのこ蕎麦にはしいたけは入っていなかった。なんてすばらしい。
抹茶ときなこもちもついたセットだったので、もう二重丸である。
色気より食い気の本領発揮なのであった。



赤山禅院(せきざんぜんいん)

ここはじつに奇妙きてれつだった。あまり知られていないというのがわかるような、
なんとも言いようのない、不思議なお寺だった。
そこに寒桜が咲いていた。唯一その光景が頭に残る。
そして、紅葉の中の犬小屋。なんとも不思議な風景だったが、なかなか味わいのあるようなないような。
お寺めぐりにはふさわしくない、厚底ブーツをはいていたわたしは、石の階段が
昇りづらく、よろよろと階段を昇る姿はきっとかっこ悪かったに違いない。
厚底ブーツとお寺めぐりは似合わない。
雨も降ったりしたので、ブーツがよごれてしまって気にしたりしてしまう自分がなんだかいやだった。
紅葉だけに心を集中した瞬間は、最初に見た詩仙堂の紅葉だった。



京都駅



クリスマス。どこもかしこもクリスマス。
年々早めのクリスマスイルミネーションが活発だ。
しかし、素直にきれいと言ってしまう自分は洗脳されているのだろうか?
まだ11月だというのに、もう明日はクリスマスなのかという勢いなのだ。
新しいコートが欲しくなる。やはり、クリスマスといえばコートだと、最近思うわたしである。
京都駅はじつにクリスマス一色だった。
今年は2000年ということもあり、日曜日だということもあって、
24日、25日の街は大変なことになることであろう。
わたしはといえば、軽井沢でクリスマスディナーショー。今年のクリスマスは
ホワイトクリスマスになるのでしょうか。ならなそうである。
暖冬の冬。今年は手袋なんかしなさそうな感じだ。
わたしは去年買ったミュウミュウの手袋があるのだ。一度も手をとおさずに冬が終わるのだろうか。
クリスマス限定の化粧品を予約したわたしは、25日が待ち遠しいものである。
が、今考えたら、25日は軽井沢にいるので
いつ取りに行けばいいのだろう。心配になってきた。
原宿のあのクリスマスイルミネーションが見れなくなり、今の名所はどこなのだろう。

クリスマスツリー

京都駅伊勢丹に巨大なクリスマスツリーが。紅葉に負けず劣らず圧巻であった。
ディズニーランドのクリスマスツリーもかなり大きいが、こちらも負けてはいない。
エスカレーターから見るツリーには、案外感動してしまうものだ。クリスマスもなかなかいいじゃない。
クリスマスに誕生日が重なっている人は、そうは思えないのだろうか。
元旦の誕生日の人は、世界中の人から「おめでとう」と祝ってもらっている気分になるのだろうか。
ちなみにわたしは2月19日。受験と確定申告の時期で、あまり嬉しい気分になれないのだ。
わたしは、夏生まれの人に憧れる。なんだか明るい性格の持ち主のように感じられていいなとか、まったく小さな理由だが。
わたしは冬生まれっぽいねと言われるが、それはどういうことなのだろうか。
春生まれっぽいねとかもあるのだろうか。

***

京都にきたら、豆腐を食べるのが楽しみなわたしなのだが、今回は肉に舌鼓をうってきた。
京都に立ち寄れると、私服のひとときをあじわえるのだ。事務所の創立者の方のお墓参りもしたりと、身も心も癒されて
またこれからの仕事に頑張れる。
京都の前の日は大津にイベントで行っていた。京都から大津はかなり近いのだ。
びわ湖をはじめて見たが、とてつもなく広かった。ブラックバスが釣れるらしい。
わたしは「釣りバカ日誌」のはまちゃんぐらいしか知らない。ていうかはまちゃんのこともよく知らないが。
釣りは一度してみたいものである。釣り掘りに行ってみたい。でも、魚は苦手なのだ。
水族館は好きだったのだが、ペンギンを見るのがおもしろい。最近水族館なんて行っていないが、
たまには行ってみたいものである。
あと、動物園。わたしはパンダが好きだ。でも本物は子供の頃に見た事があるかないかという感じだ。